【紙芝居型ブログ】年金を払っていなかった(20歳前の厚生年金期間)

本人は「年金を納めていなかった」と思っていても被保険者期間となる場合があります。まずは年金事務所で正確な記録を確認しましょう。

高橋社労士
20歳になる前に働いており厚生年金に加入しているとその期間は「年金を納めていた期間」となります。20歳直後に初診日がある場合には、いろいろと可能性を検証する必要があります。

Sさんの妹さまから相談のお電話をいただきました。
Sさんは統合失調症で初診日は約20年前の20歳の時、20年前から病院に入院しており、退院の予定もないとの事でした。
障害者手帳1級をお持ちで、症状は障害年金を十分に受給出来るものでしたが、3つの要件をクリア出来ないとのご相談でした。
初回の無料面談に来ていただきました。

 

本日は面談に来ていただきありがとうございます。
詳しいお話を伺えますか?

 

数年前に障害年金の制度を知ったので、申請しようとまずは市役所の障害福祉課に相談に行きました。
しかし20歳になってからの国民年金を一度も払ったことはなく、病院での入院生活になりました。
後から免除手続きをしたのですけど…

 

それで、3つの要件のうちの年金の納付要件がダメだから申請は出来ないと市役所には言われてしまいました。
そう言われてしまえばダメなのだとそこで諦めてしまいましたが、この先姉はずっと病院生活です。
親も高齢です。いつまでも助ける事が出来ません。
姉が一人になってしまった時の事を考えると、障害年金を諦められません。
本当に申請できないのでしょうか?
専門家のご意見を聞いて本当にダメなら仕方ないと思って相談させてもらいました。

 

一番初めに市役所に相談されたのですね。
その時、きちんと年金の納付状況をお調べになっていますか?

 

いえ…。市役所の人に年金の未納や滞納はないかと聞かれ、
ほとんど支払っていないとお話したら、それなら無理ですねとその場で話しただけです。
調べていた様子もないですし、後日何かしらの資料を確認したこともなかったです。

 

そうだったんですね。
ではまず、しっかりと年金の納付状況を調べてみましょう。
年金事務所でその詳細が分かりますので、
こちらで代理人として納付状況をお調べしてまた連絡させてもらいます。

 

 

よろしくお願いします。

 

数日後

 

年金の納付状況が分かりました。お姉さん申請できますよ!
ギリギリですが年金の納付要件をクリアしていました。

 

えーーー!!
ほとんど年金は納付していないんですよ?
それなのに大丈夫だったんですか?!

 

はい。当事務所でも厳しいかなとは思っていたのですが、
年金事務所で年金の加入記録をしっかりと調べてもらったら、
20歳以降は妹さんが言う通り、ほとんど未納でした。

なので初診日から直近1年前の年金納付要項はダメだったのですが、
お姉さんは20歳になる前の18歳の頃にお勤めされていましたね?
おそらく高校を卒業してすぐに就職されていたのかな…

 

そうです。
高校卒業してすぐに家の近くの工場で働いていました。
今考えるとその頃から症状が現われ始めていたんですね。
そんなに長い期間は働いてはいませんでしたが、それが何か関係あるんですか?

 

その工場で働いていた期間に厚生年金に加入していたんです。
その期間を計算すると、本当にギリギリですが
年金納付要件の3分の2の期間年金保険料を納めている条件に当てはまりクリア出来ました!

 

本当ですか?
申請できるんですか!!
やっぱり専門家に聞いて良かったです!
10代の頃に働いていた時に厚生年金に入っていたなんて、
そんなこと考えもしませんでした。
年金は20歳からと思っていたので、20歳以降の話しか市役所でも聞かれなかったし…。

 

厚生年金に関しては、20歳前でも加入している場合があります。
高校卒業して就職された場合は特に考えられますね。
この期間も、納付の期間の対象となります。
年金の記録に関しては記憶だけでなく、まずはしっかりと調べる事が大切ですね。

 

ダメもとでももう一度相談して良かったです。
まさか申請出来るなんて。
申請までのサポートもお願いしていいですか?
専門家にお願いすれば安心です。

 

ありがとうございます。
全力でサポートさせて頂きます!
Sさんのように、
市役所でダメと言われたから、
年金事務所でダメと言われたから
諦めてしまう方はたくさんいます。
まずは専門家である社労士に相談することをおススメします。

 

Sさんの3つの要件
初診日は20歳の頃でした。
病院は現在入院している病院と同じため、約20年経過していましたがカルテもありました。

 

年金納付要件は初診の20歳より直近前1年は未納のため、条件はクリアできませんでした。
あとは初診日から20歳までの期間を見ます。
この期間に3分の2の年金保険料を納めていればいいのですが、この期間は全て未納でした。

しかし18歳~20歳の期間に厚生年金に加入しており、
その期間を合算すると納付済期間が3分の2以上に該当しクリアしました。
かなり稀なケースとなります。

 

20歳までの厚生年金加入期間12カ月を合算すると18分の12になって、
保険料納付済期間がちょうど3分の2となります。

 

そして障害認定日要件は、初診日から1年6ヶ月の時点は、
今から約20年も前ですが、現在の入院中の病院にその当時もすでに入院しており、
カルテに病状がしっかりと残っていたため認定日時点での障害状態が認められました。

 

Sさんは初診が20年前でしたが、認定日時点での障害状態が認められ、
認定日請求として5年分の遡及も認められ
障害基礎年金1級を受給できました。

 

Sさんの場合は、年金納付要件以外は20年前にもかかわらず、
書類はすべて揃えることが出来ました。
年金納付要件だけがダメで諦めてしまっていたのです。
きちんと調べずにもらえないと決めつけてしまっていたのが残念でなりません。

 

もらえるはずの年金をもらえない事がないようにサポートさせて頂いていたので、まさにこの言葉通りの事例でした。
受給出来た事で、ご家族はもっとSさんの病気と向き合っていけるとおっしゃっておりました。

 


障害年金のご相談は
【西湘・小田原障害年金相談センター】へ!!

 

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